新しい資本主義「デジタル田園都市構想」
地方活性化 + 成長戦略
政府は、各地でデジタルインフラの整備を進めて都市との格差解消や地域活性化につなげる「デジタル田園都市国家構想」の実現会議を近く開催する方向で調整に入った...
2021年11月5日電波新聞デジタル版の記事です。
「デジタル田園都市国家構想」は、岸田文雄首相が成長戦略の柱の一つとして掲げています。
つまり、地方のデジタル化により経済を発展させるというのです。
このプロジェクトに関わる大臣は3人です。
牧島かれんデジタル担当大臣は5日の閣議後記者会見で、若宮氏を中心に実現会議を開く方向で調整を進めていることに言及しました。
消費者及び食品安全、クールジャパン戦略、知的財産戦略
および
国際博覧会担当、共生社会担当、まち・ひと・しごと創生担当
となっています。
牧島かれんデジタル担当大臣の他に、野田聖子地方創生担当大臣も関わってくるのでしょう。
松野博一官房長官は記者会見では、岸田内閣で地方創生分野は野田聖子地方創生担当相と若宮健嗣まち・ひと・しごと創生担当相が連携して取り組む方針を明らかにしています。
デジタル社会構想会議
人口急減地域への支援強化、東京一極集中の是正に取り組む...
首相と全閣僚で構成する「デジタル社会推進会議」や有識者会議「デジタル社会
構想会議」など、デジタル社会の形成に向けた国の関連会議がそれぞれの役割を
果たし、「デジタル田園都市」というものが日本のそれぞれの地方で実装されて
いくことになるとしています。
2021年9月、平井担当大臣のもと、「デジタル社会構想会議」を立ち上げました。
慶応義塾大学の村井純教授が座長を務めた構想会議は有識者12人で構成、Zホールディングスの川邊健太郎社長、楽天グループの三木谷浩史会長兼社長、慶応大大学院政策・メディア研究科の夏野剛特別招聘教授らが参加しました。
2020年の会合では、マイナンバーカードを生かした利便性の高い行政サービスの実現のほか、産業全体のデジタル化とそれを支えるインフラ整備を進める方針なども確認したとのことでした。
岸田内閣下での構想会議では地方活性化に重点が置かれているようで、高速・大容量通信規格「5G」網の整備などを通じ、「デジタル田園都市国家構想」の実現会議の議民間メンバーとして、元総務相の増田寛也・日本郵政社長や冨田哲郎・JR東日本会長ら10人以上の起用を検討されました。
会議は月1回程度開き、今春には最終的な構想を策定し、2022年6月頃に決定する「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」に反映させるとのことです。
会議を補佐する事務局は内閣官房に新設します。
成長戦略の柱の一つなので、デジタル整備のためのインフラ設備に大きな予算を充てて、産業を活性化する狙いもあるのでしょう。
具体的には、5G網の整備に加え、インターネット用サーバーなどを集めた「データセンター」の設置、人工知能(AI)などを活用した最先端都市「スーパーシティ」の導入などを通じ、地方のデジタル化を進めるとしています。
政府は「デジタル実装加速化交付金」の創設などでこれらを後押ししたい考えだとしています。
デジタルデバイト(情報格差)
誰一人取り残さない、人に優しいデジタル化を...
岸田総理が掲げるデジタル庁のミッションで、デジタルデバイド(情報格差)を解消し全国津々浦々にデジタル化の恩恵を行き渡らせるための道筋を示すのだそうです。
デジタルデバイド(digital divide)とは、コンピュータやインターネットなどの情報技術(IT:Information Technology)を利用したり使いこなしたりできる人と、そうでない人の間に生じる、貧富や機会、社会的地位などの格差のことを言います。
コンピュータや通信ネットワークは、いまや職場や日常生活に深く入り込んでいて、それを活用できる者はより豊かで便利な生活や高い職業的、社会的地位を獲得できるのですが、情報技術の恩恵を受けられない人々は社会から阻害され、より困難な状況に追い込まれてしまうというのが現実にあります。
格差発生には様々な要因があり、
個人間・集団間:年齢・学歴・収入などの違いにより生まれる格差
国際間:先進国や発展途上国での国家間格差
地域間:都市部と地方部ということで生じる格差
があります。
問題は、情報技術の恩恵を受けられない「理由」にあります。「環境」と言い変えても良いでしょう。
たとえば「個人間・集団間」における年齢の問題。
中高年や高齢者が新たにコンピュータの操作法などを覚えるのは困難な人が多いということです。
もちろん、いまは高齢者のYouTuberもいるわけで、ネットがかなりフレンドリーな高齢者も増えてはきていますが、それでもやはり、少なからずもネットそのものを生活習慣に取り入れることに抵抗感がある高齢者も少なくないのでしょうね。
深刻なのは、貧困のために情報機器の購入が困難だったり、身体機能の障害により機器の操作が困難だったり、自らの意志とは関係のない理由で、情報技術の恩恵を受けられない場合です。
地域や国家の単位での通信インフラの普及度合い
情報機器を購入できる所得水準か否か
技術の習得・利用の前提となる十分な教育が受けられるかどうか
インフラ整備や技術・機器の導入・教育を担う技術者などの人材が十分にいるか
などなど、地域ごと、国家ごとに格差が生じることもあります。
格差が生じる結果、デジタル知識がない層の孤立化があります。外部との情報手段が持てないということも考えられます。
デジタル知識が収入格差を生むことにもなります。
DXの遅れは、企業の収益性にも影響があり、労働生産性の低下にも繋がります。
セキュリティリスクも考えられます。
元々豊かな先進国や大都市が情報技術でさらに発展したり豊かになる一方、情報技術に十分アクセスできない発展途上国や農村部などが貧しいまま取り残されるという、格差の拡大・固定化の問題があるとされています。
岸田内閣では、このデジタルデバイト(情報格差)解消に取り組むとしているのです。
お手並み拝見です。
でも具体的な中身が見えない...
牧島かれんデジタル大臣が述べている文章を読んでみても、「DX」とかお馴染みの言葉は出てきて「DN(デジタル・ニッポン)」という言葉も登場してきていますが、具体的にやることとなると
党内ペーパレス会議の実施
しか拾えないのですね。
地方活性化として
デジタライゼーションで地方にいても大都市並みに仕事ができ、収入が得られ、楽しく幸せに暮らせる...
というのが「デジタル田園都市構想」だとしていますが、リモート会議、リモートワーク推進ということを言いたいのでしょうかね。
DXに関わる提言として
売買契約書、株主総会、医療診断、オンライン薬局、義務教育、試験制度、各種金融サービス党、行政サーボスや生活全般のデジタル化を徹底して、非対面、非接触、非(紙への)押印の手続きに変えるべき
決済に関しても、顔認証を含め、非接触型への以降を進めるべき
課題の指標化や、ベストプラクティス公開、DXサービス登録、DX銘柄の選定、DX
投資への税制優遇等の検討
詳しいことは、自民党本部の制作ページから確認することができます。
http://www.keidanren.or.jp/journal/monthly/2020/08/p36.pdf
最後のページに「QRコード」があるので、そこからページに飛ぶことができます。
すごい大量のページになっていますが、オンライン診療とオンライン教育、リモートワークしか目に止まらなかったのですが、特に新しい具体的なものがあるとは思えないのですがね。
読み方が浅いのでしょうか...
オンライン診療やオンライン教育、リモートワークが揃えば、地方にいながら都会にアクセスすることができます。それが地方活性化だと言われれば、地方に住みながら都会のメリットを享受するということではあります。
限界集落や過疎地域における自動運転車の巡回、買い物補助や通院に利用してもらうというインフラ整備は、以前から考えられていたことです。
岸田内閣だけでなく、菅内閣でも、「デジタル」といえばマイナンバー、マイナポイント付与によるマイナンバーカード普及促進が、経済効果をもたらすというロジックは、そのまま継続されるのでしょう。
「新しい資本主義」を考える上での「デジタル田園都市構想」...
何やら言葉だけが先行して、中身がさっぱりイメージできないというのが、岸田
内閣の特徴なのでしょうかね...