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旅行業者の悲劇

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旅行業者の悲劇

JTB過去最大1051億円の赤字

旅行業界最大手「JTB」の昨年度の決算は、新型コロナウイルスの影響で国内外の旅行需要が、大きく落ち込みました。

JTB発表によれば、3月までの1年間のグループ全体の決算は、売上が前年度71%減の3721億円、最終損益は、前年度16億円黒字から一転、過去最大の1051億円の赤字となりました。

ただ今年度の業績予想については、ワクチン接種の効果による旅行需要の回復などで黒字化は可能だとしています。

JTBは今年度中に、国内480店舗数を115店舗を減らすほか、約2万9000人いた国内外の従業員を、約7200人減らす計画だそうです。

さらに、今年度の賞与の支給を見送るほか、給与も減額して、当面、社員の年収ベースで30%削減し、人件費を抑えるとしています。

旅行業者はもともと利益率が薄いので、コスト削減には、どうしても人件費にしわ寄せが来やすいのかもしれませんね。

財務基盤を強化の一環として、政府系金融機関日本政策投資銀行優先株を引き受けてもらう形で資本支援を要請する方向で検討を進めていることが明らかになっています。

JTBは業界最大手ながら、上場はしていません。

 

JTB ✕ JA

大打撃を受けた観光業の人たちの副業として、農業の現場で働いてもらおうというプロジェクトが進行しています。

まず、農家からの希望をJAが取りまとめ、JTBに伝えます。JTBは仕事が減っているホテルや旅館、バス会社などから人材を募り、農業の現場で働いてもらうという仕組みです。

農業の就業人口は去年、全国で168万人。この10年で100万人も減少しました。農林水産省は、何も対策を取らなければ10年後には131万人に減ると試算しています。

JTBにとっても仕事が減った全国の取引先の人たちに雇用の場を提供できるだけでなく農家から受託料も得られ、新たな収益につながります。

人手不足の農業と、働きな所を失った観光業関連の従業員を、JAとJTBが間に入ってマッチングしようという、コロナ家で生まれた試みです。

JTBが複数の農家から仕事を請け負い、力仕事や軽作業まで、働く内容を細分化して割り振るようです。

NHKのWeb記事参照

www3.nhk.or.jp

 近畿日本ツーリスト当期純利益は284億円の大幅な赤字

旅行会社大手の近畿日本ツーリストクラブツーリズムを擁するKNT-CTホールディングス(KNT)は、2021年3月期の売上高は前期比77%減の878億円、当期純利益は284億円の大幅な赤字(前期は74億円の赤字)、赤字幅は過去最大も決算となりました。

海外旅行の催行がほぼ不可能となり、取扱額はわずか22億円と98%減少、国内旅行も取扱額は70%減の790億円にとどまりました。夏以降はGo To トラベルが貢献したものの、団体旅行、修学旅行なども自粛の影響で多くが延期や中止となりました。また、グループ人員の2割に当たる1376人の希望退職関連費用なども計上しています。

決算と同時に400億円の資金調達を発表しています。主要取引銀行である三菱UFJ銀行三井住友銀行が資金を貸し付ける合同会社2社、そして親会社である近鉄グループホールディングスに対し、議決権のない社債優先株を割り当てる形となります。

KNTは2020年12月末時点で債務超過に転落していますが、今年6月末で解消される見通しです。

2期連続の債務超過による上場廃止のリスクは、大幅に後退したと言えます。

修学旅行は、宿やバスの手配はかなり前から行いますので、その状況から売上見通しは立てられが、キャンセルや延期の危険性は常につきまといます。

 

JAL ✕ レストラン ANA ✕ 接遇マナー研修

成田空港のそばに、CAがウエイトレスとして働く「DINING PORT 御料鶴(ぎりょうかく)」というレストランがあります。

JAL Agriport とう、JALグループの会社が運営しています。

機内食を出してくれるレストランで、広い芝生ではバーベキューも楽しめるようになっています。

御料鶴の周辺で、いちご、ブルーベリー、ぶどう、さつまいも、季節野菜などを育てていて、これら採れたての食材を楽しむ場として、この「DINING PORT 御料鶴(ぎりょうかく)」というレストランをオープンさせたとのことです。

またANA全日空は、CAも接客技術を、企業のビジネスの場で生かしてもらうために、ANAビジネスソリューション株式会社を作り、「マナーの実践」や「コミュニケーション力の向上」をはかる研修を、以前から行ってきています。

医療現場にも、研修導入を働きかけています。

人と接する業態からの変容

新型コロナウイルス感染拡大で、最も打撃を受けた業種と言えば、飲食店業やホテル観光業だと思います。

もちろんエンターテーメントの世界や、イベント事業も大打撃を受けているでしょう。

人と接することが中心お業界は、非接触が求められるコロナ禍では、、ぎゅオムが成り立たなくなってしまいます。

オンライン活用などの業態変化や、業務そのものを変える事も考えざるを得ません。

ライブハウスやホテル客室の空間ビジネス、テレワーク拠点としての提供など、今までとは違う業態を模索しなければならない状況になっていると追われます。

あるいはここで紹介した異業種とのコロボレーションも、その重要な選択肢になるでしょう。

「掛け算ビジネス」、○○ ✕ △△ といっコラボレーションビジネスも、模索することになりそうです。

業界の生き残りをかけて、知恵を絞る時代に突入してきました...