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台風と地球温暖化との関係を考える ~ 台風発生メカニズム

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台風発生メカニズム

日本における大雨の発生数が長期的に増加傾向にあるのは、地球温暖化が影響している可能性があり、地球温暖化が今後進行した場合、さらに大雨の発生数は増加すると予測されます...

国土交通省ホームページ内にあるコラム「事例 地球温暖化と大雨、台風の関係」の書き出しの部分です。

あくまでも「可能性」と表現していて、このコラム内でも

地球温暖化と台風の関係については、現時点では、地球温暖化の影響が台風の大きさや強さに及んでいると結論付けることはできません...

としています。

それでも海水温度が上がることで、台風の勢力が強くなることは事実で、今回の首都圏を直撃した台風19号は、海水温の高さのせいで急速に発達したとも言われています。

 地球温暖化と言えば、スウェーデンの16歳、グレタ・トゥーンベリさんが話題となっています。

グレタさんは、毎週金曜日に学校を休んで温暖化対策を訴えていて、共感する若者たちによって、世界各地で「未来のための金曜日」と呼ばれる運動が広がっています。

今回クレタさんは、ノーベル平和賞の候補として注目が集まっていました。受賞には至らなかったですけどね。

地球温暖化については懐疑的な意見もあり、地球は温暖化していないという論調で、よく言われのが「南極の氷は減っていない」論争です。

南極の氷は、どうやら陸氷は減っていますが、海氷は、温暖化が進んでいるにもかかわらず増えているようです。

南極周辺のオゾン層が低下して成層圏が寒冷化していることや、海洋循環の関係があるということのようで、詳しいことは説明できませんが、陸と海で氷の増減が違うことは事実のようです。

海氷が増えているから、地球温暖化の影響はないと断言するのは無理があるように思えますが、一方で、海水面が上昇しているという事実もあるということは、理解しておいたほうがよいでしょう。


☆台風発生のメカニズム
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台風は、日本の南の熱帯海上で生まれます。

海水温が高く日差しが強い熱帯の海水では、多量の水蒸気が発生します。暖められた水蒸気は周りの空気よりも軽いので上昇し、その上昇気流が上空で冷やされることで、水や氷に変わって雲ができます。

暖められた空気は軽いことから、周辺よりも気圧は低くなります。

空気は気圧の高いほうから低いほうに流れます。

ゆえに、周りの海面上から水蒸気を含む空気が流れ込み、地球の自転の影響で空気の流れは中心に向かって反時計回りで渦を巻きます。

これが熱帯低気圧の誕生です。

熱帯低気圧は強い風雨を伴いますが、北大西洋南シナ海で生まれ熱帯低気圧のうち、中心付近の最大風速がおよそ毎秒17メートル以上に発達したものを「台風」と呼びます。

ちなみに、熱帯低気圧が誕生した場所で、同じ台風でも呼称は異なります。

大西洋や北東・北西部太平洋で発生したものは「ハリケーン」、インド洋や南太平洋で発生したものは「サイクロン」と呼ばれます。

ここでのポイントは、「暖かい海」から供給される水蒸気で台風はできるということで、このことから海水温度上昇と台風発生には、因果関係があるのではとされています。

南国から北へ移動するにつれ、海水温は低くなるので、台風の勢力は弱まってくるのが一般的なのですが、今回の台風19号の勢力は弱まることなく、強い勢力を保ったまま北上してきました。

その原因は、日本付近の海水温度が上昇しているからで、台風19号が接近してきたときの日本近海の海水温は27度で、1981年から2010年の平均値に比べ2度も高くなっているのです。

台風発生メカニズムから考えると、海面水温が高くなるということは、日本にやってくる台風は勢力が弱まることはなく、常に勢力の強い台風に見舞わされるということになります。


海水温が高いということは、台風以外にも、大雨の発生する確率も高まってくるということになりますね。