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防衛戦略3文書改定で「敵基地攻撃能力」保有?

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防衛戦略3文書改定

防衛戦略3文書

自民党が、外交・安全保障政策の根幹となる戦略3文書について改定作業を関係閣僚に指示した...2021年、年の瀬も押し迫る12月20日のニュースです。

「防衛戦略3文書」とは

  • 国家安全保障戦略(NSS)
  • 防衛計画の大綱(大綱)
  • 中期防衛力整備計画(中期防)

改定は北朝鮮のミサイル技術の高度化や中国の軍拡といった安全保障環境の急変に対応する目的があり、岸田文雄首相は、敵基地攻撃能力の保有など「あらゆる選択肢を排除しない」としています。

 

国家安全保障戦略(NSS)

党内で3文書改定に向けた検討作業を行うのは、安全保障調査会(会長・小野寺五典元防衛相)で、20日に3文書のあり方など概念の整理を行い、今年1月からテーマごとに有識者からのヒアリングを含めた分析を始め、5月末までに論点を整理し、政府への提言をまとめることになっています。

国家安全保障戦略(NSS)は国の外交・防衛政策の基本方針で、今回の改定は、第2次安倍政権下の2013年12月に策定されて以来初めてです。

同調査会で検討するテーマは中国や北朝鮮情勢、人権外交、海外への装備移転、防衛産業支援など多岐にわたり、会合は週1回以上のペースで開かれる見通しです。

「敵基地攻撃能力」保有の有無...

昨年の自民党総裁選挙で、高市早苗政調会長も訴えていたものですね。

今回の改定は、日本防衛の転換点になるとされていて、大きな議論を呼びそうです。

 

防衛大綱

2018年12月に策定された「防衛大綱」は、「多次元統合防衛力」を構築することとしています。具体的には

  • 陸・海・空の従来の領域のみならず、宇宙・サイバー・電磁波を含む領域での能力を有機的に融合し、その相乗効果で全体としての能力を増幅させる領域横断(クロス・ドメイン)作戦を遂行可能であること
  • 平時から有事までのあらゆる段階における柔軟かつ戦略的な活動の常時継続的な実施を可能とすること 
  • 日米同盟の抑止力・対処力の強化及び多角的・多層的な安全保障協力の推進が可能であること

とあります。

 

中期防衛力整備計画(中期防)

やはり、2018年12月の策定された「中期防衛力整備計画(中期防)は、2019年から2023年までの5年間の防衛力整備の方針や主要な事業などについて定めているもので、5つの基本方針として

  • 領域横断作戦の実現に必要な能力の獲得・強化
  • 装備品取得の効率化・技術基盤の強化
  • 人的基盤の強化
  • 日米同盟および安全保障協力の強化
  • 効率化・合理化を徹底した防衛力整備

を掲げていて、これらの実施を加速するために「防衛力強化加速パッケージ」で防衛力を大幅に強化するとしています。

予算案では、必要な防衛力を大幅に強化したほか、次期中期防(2023〜2027年度)の対象経費としてのねらいもありました。

2021年度補正予算と2022年度当初予算案を合わせた「防衛力強化加速パッケージ」と位置づけ、総額6兆円を超えました。現中期防の総額は、5年で約27兆5000億円、次期中期防ではこれを大きく上回る30兆円越えとなる可能性もあります。

「強い防衛」を打ち出すためには欠かせない大きな戦略に向けた計画だ...

昨年の12月28日、年末最後の閣議後会見で岸信夫防衛大臣は改めて3文書の改定について、「厳しい安保環境の中で国民の命や暮らしを守り抜くため、改定に向け、さらに検討を深化させていく。私の下で、防衛省自衛隊が一丸となってさまざまな課題に全力で正面から取り組む」と力を込めたとのことです。

個人的感想ですが、こういうことは自民党は、行動が早いですね...