論文数の“質”も“量”も中国が米国を抜いてトップ、日本からは当分ノーベル賞受賞は出ないだろう...
“良い”論文とはなにか...
客観的に“評価される”論文が「良い論文」と定義されるようです。つまり、どれだけの人にその論文が引用されたかで、論文は評価されるようです。
誰が書いたかとか、どこの機関が出したかではないのですね。
「権威」や「格付け」にこだわるのは、よくないです。
ちょっと例えが違うかもしれませんが、「いいね」ではなく「リツイート」の数の方が重要だということですか。微妙にちがいますかな...アハ
2017年から2019年の間に世界中で発表された自然科学分野の学術論文のうち、他の論文に引用された回数が上位10%に入る影響力の大きな論文の数で、日本は過去最低の世界10位に後退したとの分析結果を文部科学省科学技術・学術政策研究所(NISTEP)が公表しました。
世界トップに躍り出たのは、米国を抜いた中国です。
先程の、2017年から2019年に発表された全世界の論文を対象に、国別の論文数の年平均値を算出、複数の国の研究者による共著論文は国ごとの貢献度を分数で数えた結果、論文総数は中国が35万3174本で2年連続の1位だったそうです。
米国28万5717本、ドイツ6万8091本と続き、日本は6万5742本の4位でした。
一方、引用される数が各分野の上位10%に入る論文数は...
中国が4万219本で初めて首位
米国3万7124本
英国8687本
と続き、3787本の日本は前期(2016~2018年平均)の9位から、インドに続く10位へ後退しました。
日本の、評価された“良い”論文数は、中国の10%にも満たないのです。
「良い論文」とは、引用される数が多いほど論文の注目度が高く、科学の発展に大きなインパクトを残したと評価されます。
これは論文に限らず、文章に限らず、いろんな開発や技術にも言えそうで、それこそ人間性にも当てはまりそうですね。
日本の“良い論文”が低下の一途
さて、この「良い論文」に関して、日本が2000年代半ばから低下し続ける一方で、同じ時期に中国は影響力を伸のばし続けてきました。
正直、あれだけ日本が「下」に見ていた中国が、いつの間にか、日本は相手にされないほど高い地位に、のし上がっていったと言えます。
「カネにものを言わす」というイメージが強い中国が、経済でのし上がってくることは何となくイメージできますが、知的分野において、中国が日本の遙か先を行っていることなど、想像もつかなかったことでしょう。
当然、このことは米国にとっても「恐怖」以外の何者でもありません。
米国が、事あるごとに中国を意識するのも、無理はありませんね。
今思えば、つくづく中国「千人計画」の恐ろしさを、まざまざと見せつけられた気がします。
5Gインフレ設備先行もそうです。
世界中に中国の優秀な人材を派遣させて、そこで学んだものを本国に持って帰らせるという超長期計画、と言うか長期ビジョンをやってのける中国は、まさに、“足腰が座った”強国となってきたと言えます。
おまけに「双循環経済」を全面に内需と外需を伸ばす、中国国内で足りない海外依存の供給部分を自前でできるようにするという宣言は、まさに中国一国で全てを賄えるようにするという、本当の意味での大国になるという宣言は、恐怖以外の何物でもありません。
文部科学省科学技術・学術政策研究所(NISTEP)の担当者は「中国の躍進には研究者数や研究費の伸のびが非常に大きな影響を及ぼしている」と分析しています。
日本の低迷については「大学教員の研究時間が減り、論文数が伸のび悩なやんでいる」との見解を示し、政府が進めてきた公的研究費助成の「選択と集中」方針の弊害については「もう少し分析が必要」と明言しなかったとありますが、そんな呑気な話ではないような気がします。
そもそも日本と中国では「国家ビジョン」が違います。
日本では政権維持のことばかり、内向きのことばかりに気を止めて、世界を見ずに、保身と利権にのみに全精力を費やし、世界における地位だとかの国家間が欠片もない状況では、「そりゃ中国に勝てるわけがない」でしょう...
それは与党だけでなく、野党にも責任があり、まあ政治家全般に言えることで、東京都立大学社会額教授の宮台真司先生に言わせれば「政治家の劣化」甚だしいと言わざるを得ませんね。
日本は極端に少ない研究者数に研究費
研究者数
2019年データで中国は210.9万人(13.0%アップ)
日本の研究者数は68.2万人(0.5%アップ)
日本は、中国の3分の1に過ぎません。
研究開発費
日本は20年間横ばいの4.1兆円
中国(2018年)28兆円
米国(2019年)15兆円
だそうです。
数字の根拠はともかく、研究者数や研究費を見て、日本は中国とは比べ物にならない状態だということが伺えますね。
報道によれば、日本では、大学で博士号を取る人数は2006年をピークに減少しているそうです。
このままいけば、よく言われていることですが、いずれノーベル賞は中国が独占することになるでしょう。
日本人受賞者は、当分出てこれなくなりますね...